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舟山の木偶戯では、「搭脚」と呼ばれる小者が進行係を務め、舞台の最初と最後に登場して、挨拶する。
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搭脚が引っ込むと、西涼攻略に向かう唐軍陣営の場面から上演が始まる。薛丁山が登場し、寒江関攻略を父薛仁貴に相談する。父は筏を組んで渡河するように指示する。
一方、寒江関を守る西涼の総兵樊洪は、息子の樊龍、樊虎に出陣を命じるが、二人とも唐軍の羅章、薛丁山に大敗する。樊洪は妻の王氏に相談し、黎山老母の下で修行した娘の樊梨花に出陣を促すことにする。樊梨花は、師から唐の将軍と結婚する運勢だと言われていたので、父が訪ねて来ると、さっそく軍装に着替えて出陣する。
「寒江関の小娘が出陣し、薛丁山を出せ、と喚いている」と唐の陣営に報告が入る。薛仁貴と程咬金は相談して、身の丈三尺で、空を飛び、地に潜る技をもつ秦漢と竇一虎をまず偵察に派遣する。二人があえなく退散すると、次には丁山の二人の妻秦仙童と陳金定に妹の薛金蓮の女三将軍を派遣するも、敗退。樊梨花は、丁山には、すでに二人の妻がいるのを知って愕然とするが、妹が美人なので、丁山は噂に違わぬ美男子だろうと期待する。唐軍はついに丁山出陣を決める。
(ここで休憩)
後半は薛丁山の出陣で始まる。
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樊梨花と薛丁山の一騎打ち。美男の薛丁山に一目ぼれした樊梨花は、魔法の縄で薛丁山を縛り上げ、結婚を迫る。
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最初は強がっていた丁山も承知しなければ殺されるのではないかと恐ろしくなり、「裏切ったら宙づりにされる」と偽りの誓いをして結婚を約束する。が、縄を解かれて自由の身になるや、たちまち樊梨花を殴りつけて、戦闘再開となる。
怒った樊梨花は、術で四方の山を動かし、丁山を閉じ込める。丁山は騎馬で走り回るが、そびえたつ山に取り囲まれ、万丈の谷に迷い込んだようで、思わず、助けを呼ぶ。
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丁山は柴刈りに縄で吊り上げてもらうが、あと一息というところで柴刈りは消えてしまう。樊梨花を呼び、また偽りの誓いをするが、自由になったとたん、再び襲いかかる。
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樊梨花は四方の龍王を呼んで大海原にする。丁山は溺れ、船頭に小舟に助け上げられるが、船頭は消えてしまう。樊梨花に助けを求め、今度、裏切ったら、薛一族が皆殺しになると誓う。
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丁山がついに結婚を承知すると、樊梨花は、正式に仲人を立てて迎えに来るように言う。丁山は、唐の陣営に戻り、父薛仁貴に樊梨花との結婚の承諾を願う。薛仁貴は激怒し、丁山を斬ろうとするが、程咬金に、最強の女将軍樊梨花をぜひ嫁に迎えるべきだと説得される。薛仁貴は、樊梨花を恐れて嫌がる程咬金を強引に仲人にして、寒江関に派遣する。
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寒江関に帰った樊梨花は、父樊洪に丁山との結婚の許可と唐への降伏を求める。
怒った父樊洪は、剣を抜いて娘を斬ろうとして、足が滑り、剣がのどに刺さって死ぬ。
樊梨花は家人に棺を買って来て、父の葬式と自分の結婚の準備をするように言いつける。
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樊龍と樊虎は父の死を聞いて、仇を討とうと妹の樊梨花を襲うが、二人ともあえなく殺される。樊梨花は、母に、戦場で薛丁山と婚約したこと、唐への投降の勧めに、父が激怒して、剣を振りかざして襲い掛かってきたが、滑った拍子に剣が喉に刺さって死んだこと、続いて兄二人も殺害したことを話す。あまりのことに呆然として言葉も無い母に、樊梨花は、間もなく唐から迎えの仲人が来ると言う。
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唐の使者の到着が報告され、仲人役の程咬金が入って来る。夫人とあいさつを交わすうち、唐軍一行も到着し、薛丁山は岳母王氏と樊梨花は舅の薛仁貴に目通りし、二人の結婚でめでたく幕を閉じる。
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(この強引な結婚はしかし禍根を残し、樊梨花と薛丁山はこの後も、離縁と復縁を繰り返すことになるが、これはまた後の話である。)
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