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古文尚書 解題


元徳二年写(中原康隆)

重要文化財

【書 名】 古文尚書 旧題漢孔安国伝 存巻第六

元徳二年写(中原康隆)
重要文化財

【書 誌】 巻子一軸
改装新補渋引無地表紙、金銀砂子散料紙
新補表紙カ。総裏打修補
タテ 30.3cm
ヨコ 50.0cm
有界
毎紙 12行
毎行 13字
‎【訓点等】 オコト点、四声点、墨筆片仮名、音注、四声点、返点など
‎【紙背】 『新札往来書写』 室町初期カ

 一O-996古文尚書と比較することにより、明経道の学問の変遷、訓点に見られる国語の変遷を知り得る。

 尚書は中国最古の史書で儒教教典の一。書または書経ともいう。古く西周初年(前11世紀)に作られ、のち戦国時代(前3世紀)に至る頃迄書き加えられた。今は58篇のみが残っており、中28篇は漢の孔安国が注釈した古文尚書といわれる。然しこれは東晋(4世紀)の梅院の偽書であることが、清の閻若犹により証明された。
 本書は、泰誓上・中・下、牧誓・武成の5篇で加点校合は筆者自ら施し、その子重貞・孫重隆・曾孫康富に至る4代相伝したものである。文中の旁注・欄外の注記は、中原・清原両家の本を校合しており、わが国の経学の発達変遷を知ることが出来る重要資料であると共に、更にこの書全巻を通じて加えられている乎古止点、仮名、漢字の音訓は、鎌倉時代末期の国語研究の好資料である。


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