atoingashu011
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◎唄を聽く群 (包頭・南海子) 取引も無事に濟んだ、いとしき者への土產も調ふたので後は船出まで暫く憩ひの船人達、折柄河岸の空船に陣取り唄ひ出した小娘の唄に耳を傾ける。幌馬車を下りたのも、駱駝を止めた男も、老も若きも暫し恍惚の一時、哀調の蛇皮線に輕い鄕愁をそゝられるものもあらう。唄は洋々たる河面を涉つて遙か塞外の空へと流れて行く。 (印畫の複製を嚴禁す)//◎唄を聴く群 (包頭・南海子) 取引も無事に済んだ、いとしき者への土産も調ふたので後は船出まで暫く憩ひの船人達、折柄河岸の空船に陣取り唄ひ出した小娘の唄に耳を傾ける。幌馬車を下りたのも、駱駝を止めた男も、老も若きも暫し恍惚の一時、哀調の蛇皮線に軽い郷愁をそゝられるものもあらう。唄は洋々たる河面を渉つて遥か塞外の空へと流れて行く。 (印画の複製を厳禁す)
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