atoingashu009
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●河岸の水車小屋(橋頭附近) 朝まだき夜露にぬれた山合の溪流は、柔らかな陽の光を浴びて山皺も綠樹も水面も皆淸々しい。長い石堤に豐かに堰止められた水邊には名物の水車も動かず、車小屋の孤影にみが緩やかな影を映してゐる。水車は沿線の山に多い榆樹其他の幹を碎いて線香の材料をひくためで、細河の流に沿ひ到る處に散見して景趣を添へて居る。 (印畵の複製を嚴禁す) //●河岸の水車小屋(橋頭附近) 朝まだき夜露にぬれた山合の渓流は、柔らかな陽の光を浴びて山皺も緑樹も水面も皆清々しい。長い石堤に豊かに堰止められた水辺には名物の水車も動かず、車小屋の孤影にみが緩やかな影を映してゐる。水車は沿線の山に多い榆樹其他の幹を砕いて線香の材料をひくためで、細河の流に沿ひ到る処に散見して景趣を添へて居る。 (印画の複製を厳禁す)
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