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●萬樹園 (熱河山莊苑) 榮枯盛衰の歷史は幾度か繰返された、つはもの共の夢の跡を偲ぶには今は餘りにも荒凉蕭條たるものである。喬木の林間に鶯の囀り、樹間を縫ふ鹿の群に都塵を洗ひ、鬱勃たる征を抱懐した帝が豪莊の偉業も、或は紅涙にむせぶ傾國の繪巻も、今は空しく廢園に戯るゝ群鹿の鳴声と、晩秋の稍を涉る風のみである。 (印畫の複製を嚴禁す)//●万樹園 (熱河山荘苑) 栄枯盛衰の歴史は幾度か繰返された、つはもの共の夢の跡を偲ぶには今は余りにも荒凉蕭条たるものである。喬木の林間に鴬の囀り、樹間を縫ふ鹿の群に都塵を洗ひ、鬱勃たる征を抱懐した帝が豪荘の偉業も、或は紅涙にむせぶ傾国の絵巻も、今は空しく廃園に戯るゝ群鹿の鳴声と、晩秋の稍を渉る風のみである。 (印画の複製を厳禁す)
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