atoingashu004
166/186

●轎子の參詣人 轎子に搖られながら信仰の人だちが夢見心地に山路を登る。雨に洗れた谷の流砂が河原の路を阻むと、修行僧は丹念に路普請をしては參詣者の足元を樂にして吳れる。その代り路傍に竹笟を列べて勞力の代償に喜捨を要求する、如何にその笟の數の多いことよ。僧堂の近くに來れば木魚を叩く讀經僧に轎子の上からお題目を唱ひて喜捨して通る。與ふるものも受くるものも觀音の利益に依りて慈悲忍辱の生活の營まれるところに普陀の特色がある。 (印畫の複製を嚴禁す)//●轎子の参詣人 轎子に揺られながら信仰の人だちが夢見心地に山路を登る。雨に洗れた谷の流砂が河原の路を阻むと、修行僧は丹念に路普請をしては参詣者の足元を楽にして呉れる。その代り路傍に竹笟を列べて労力の代償に喜捨を要求する、如何にその笟の数の多いことよ。僧堂の近くに来れば木魚を叩く読経僧に轎子の上からお題目を唱ひて喜捨して通る。与ふるものも受くるものも観音の利益に依りて慈悲忍辱の生活の営まれるところに普陀の特色がある。 (印画の複製を厳禁す)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 166

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です