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瓯劇の打八仙

温州市瓯海区澤雅鎮廟後村龍後廟 瑞安飛雲瓯劇団上演
2013年2月21日 馬場英子撮影


 


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(1)道士の祈祷

 神々の前の供物卓には、「斛」(盾型の大きな台、一面に「壽桃」(餅)を飾る)三台、豚頭、鶏、家鴨、魚二尾、ミカン。棗、胡桃、落花生、龍眼、市販の菓子などが供えられる。 供物卓上の壺には、玉皇上帝、楊府侯王、陳十四娘娘、朱氏仙娘、陳府大神、白衣丞相(李泌)、朱公大帝、胡公大帝(胡則)、斉天大聖(孫悟空神)の名を記した黄色い札が挿してある。ほとんどが地方神である。
 道士は、神々に向かって祈祷した後(一時間余か?)、向きを変えて、戯台の方、天に向かって祈祷する。三々五々集まって来た村の人も、線香を捧げて道士に従って拝礼する。
 戯台では、上演の準備が進み、舞台入り口付近には『金宝盒』と演目を記した小さな黒板が掲げられ、音響、字幕装置の設置、劇団員へのお祝儀の「紅宝」、ミカン、乾麺、菓子、飴などが舞台前面に積み上げられる。

 
 


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(2)打八仙

「頭通」(前奏) 舞台右手で楽隊の二人が、銅鑼、太鼓、鼓板・・・で演奏を始める。

1.王母蟠桃会
  1. 値日功曹(日直の属吏)が、騎馬を示す紅旗と鞭を持って登場。
  2. 天官紫微大帝登場、値日功曹に、各路神仙に蟠桃会への開催を知らせに行くよう命じる
  3. 文昌帝君張梓童が(天聾、地啞?を)従えて登場
  4. 周倉と関平を従えて関羽が登場
  5. 仙姑と麻姑が扇で舞う
  6. 福、禄、寿三星が登場
  7. 天官に先導された西王母が、祥雲に乗ることを示す鞭を持って登場、神々の祝賀を受ける
  8. 西王母を最上段に、「寿」の字の形に神々が並ぶ
  9. 最後に劉海が登場し、神々と問答する。「どこに行っていた?」「北海に」「祝いの品は?」「金銭です」等と答え、「金がざくざく!」と寿いで、寿の字の点の位置で印を結ぶ
  10. 神々は去り、西王母も鞭を振り、すなわち祥雲に乗って退場、最後に値日功曹が退場
     


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2.跳魁神
丑(道化役)が青い仮面をつけ、左手に墨斗(墨壺)、右手に筆を持って魁神に扮し、三元(解元、会元、状元)に印をつける

 
3.跳加官
生(男役)が、白い福の神の面をかぶり、掛け軸で「一品當朝」「福日高昇」などを示し、「尺」で福を掬う

 
4.跳女加官
旦(女役)二人、朝尺で福を掬い、人形と官帽を持ち、子授けと子の出世を予祝(赤ん坊の泣き声)

 
5.跳財神
丑が黒い面をかぶり、財神の衣装で元宝を持って登場、劇団を招いた地元の代表が登壇して元宝(福)を授かる

 
6.拝堂
二組の状元夫婦(生と旦)が登場。舞台上のお祝儀を片付け、「紅宝」は袋から出して、紙幣を一枚ずつ観客にかざして示す。蝋燭と線香をともして、舞台を降り、神前に供える。最後に戯台から飴を観客に撒く。

 
(打八仙は終わり、芝居が始まる)
(「打八仙」上演には、約30分かかる。本来の芝居の上演時間には含まれないので、施主の側で「紅宝」を出す)